サージィカルハイソックス特別賞を受賞
®11月19~20日に行われた医療の質・安全学会に機器出展
そして血栓対策&転倒対策のサージィカルハイソックスが安全を支える技術展で特別賞を受賞することができました。
「病院で着用するようにと渡されたサージィカルソックス、きつい 歩きにくい 躓きやすい 冷たいです」
「我慢して履いていたようですけど痛くて痛くて歩けなくなりました」
「ためしにとストレス対策靴下を履かせてみました」
「浮腫みが取れ、歩きやすく快適だったそうです。帝王切開でしたがお陰様で無事にお産、男の子を授かりました」
「同室の皆さんにも履いてもらったところ締め付けないので効果がないのかなと思ったけど浮腫まないし、歩きやすいし、と大絶賛でした」
「ストレス対策靴下、数ヶ所改良したらもっと良い靴下になります。ぜひ医療機器にしていきましょうよ。病院での術中術後においての血栓予防対策として使うサージィカルソックスも開発していきましょう」
2011年の秋、県立広島大学看護学部井上准教授(当時は講師)との会話でした。
ストレス対策靴下は医療現場の皆さんのストレスの軽減を図るために2010年から開発、2011年2月に放送された夢の扉で病院内でのストレス軽減の効果についての測定場面で取り上げられました。
そして2014年6月より販売開始になったのが一般医療機器の足趾伸展機能で血行促進を図ったむくみ対策くつ下&リンパ快促®です。
第2章
1回目の試作品の評価はマジィックが痛い、マジィックの着脱に時間がかかる、足先に違和感を感じる等々、辛口の評価ばかりでした。
良い評価は1つだけ、それは歩きやすいでした。
術中術後の寝たきりの状態の時でしか着用しないと理解していました。そのため歩きやすいのが何故良い評価になるのかは理解できませんでした。
第3章
弾性ストッキングについて看護師 助産師の皆さんの聞き取り調査で
〇締め付けがきついので履かせ難い、履きにくい
〇締め付けがきついので褥瘡チェックが難しい
〇締め付けがきついので皮膚損傷が発生することがある
〇滑りやすく底屈になるので転倒しやすい
〇足先がでているので寒い
〇洗濯すると糸がほつれるので繰り返し洗濯ができない
看護系学会での機器出展において
「床ずれをはじめいろいろ問題がありすぎるので使用するのをやめました」
「やめる方向で検討しています」
等の意見を多く聞きました。
そして、これらの諸問題を解決する弾性ストッキングの開発を県立広島大学保健学部看護学科 井上誠准教授 (保健学博士)と開始したのです。
第4章
弾性ストッキングが持つ諸問題を解決していくなかで高い壁にぶつかり1年余開発が進まない中で2016年10月に摩擦力と吸水力に優れたテイジンナノフロント糸の出会いで壁を乗り越えることができました(問題を解決した方法については省略)。
試行錯誤の6年余は医療現場でのアンケート式の聞き取り調査と超音波診断装置NEMIO WG システム式SSA-580Aを使用しての血流測定を行い最適な弾性ストッキングの共同開発を行ってきました。
そして褥瘡チェックが簡単にできる血栓&転倒対策のサージカルハイソックスが出来上がったのです。
結語
県立広島大学倫理委員会倫理番号15MH047を得て共同開発及び調査研究を開始(平成27年ひろしま県医療関連産業創出事業、平成29年度東広島市ものづくり新事業展開支援事業補助金)。 調査は弾性ストッキングを患者さんに3回以上履かせた経験のある医療職者の協力を得て実施されました。
着圧力が強い弾性ストッキングは着用時に滑りやすいポリエステルかナイロンを主素材にしている中で綿・テトロン混紡糸を主素材にしています。
つま先部は開閉式の構造で足変チェックを行う時以外は閉めているため保温力が維持されます。
機器出展で「弾性ストッキングは着圧力が強いので褥瘡の確認ができ難いため使用をやめました」、「やめる方向で検討しています」、「着脱の時に傷になりやすいのでやめる方向で検討しています」等々の多くの声を聞きました。 そして、これらの意見を参考に褥瘡のチェックがしやすいサージカルハイソックスの開発はモニタリングを繰り返しての50種類以上の試作品を作ることで医療職者の皆さんに対し満足度の高い商品に仕上げることができたのです。
足趾伸展により足首を20~25㍉Hgの比較的弱い着圧力であっても腓腹筋の緊張力の高まりを誘引することで深部静脈の血流の促進を図る構造になっています。 また、着用にかかる時間で他社弾性ストッキングが3分53秒に対し2分11秒と大幅な時間短縮を可能にしました(9名の平均時間)。
静止座位における深部静脈血の血流速度 の変化を測定、現在使用されている弾性ストッキングとの比較において同等以上の効果が得られることが検証できました。
ベットから立ち上がる時に足元が滑って滑落、そして重篤な事故につながる事の対応策としてかかと部は床面と肌面に接する両面に高い摩擦力と吸水力を有するテイジンナノフロント糸を使用して安定した足元を実現することができたのです。
新聞記事で院内の医療事故のトップが転倒滑落で全体の事故の36.2%を占め他の医療事故は減少している中で転倒滑落事故は増加の傾向にあるとの内容でした。 褥瘡チェックが簡単にできる血栓&転倒対策のサージカルハイソックスが事故の減少の一翼が担えればの想いで8年間にわたり県立広島大学准教授井上誠保健学博士と開発を進めて商品化にこぎつけたのです。