暖房費削減の2重式あぜ編みくつ下
平成14年の残暑の厳しい9月でした。
どんな靴下をはいても足が冷えると云われる糖尿病患者さんの
「熟睡できないので体調が思わしくない」
「血糖値が下がって年に数回失神して救急車におせわになります」
「冷房の部屋にいると足先が冷えて辛いです」
「足先を猫が踏んだら飛び上がるほど痛みを感じます」
「靴下底部に貼るカイロで低温火傷、そして壊疽になりかけ先生に叱られました」
等々の話をお聞きしました。
当時、保温力には自信を持っていた靴下をお買い求めいただきましたがその翌日、
「最初は暖かいけど冷えてきます」
「冷えで苦しむ多くの人のためにズッーと暖かい靴下を開発してください」
この言葉にショックを受け、何故冷えるのかを自問自答する毎日が続きました。
そうした中、翌年の2月にフッと小学校時代の理科の教科書の
『冬の寒い夜、透明ガラスに手を当てるとヒヤッとしスリガラスは表面が凹凸のため空気層ができてあまり冷たくない』
ことを思い出し、暖かい靴下は汗が出て逆に冷えてくることに気づきました。
試作開発を繰り返す中であぜ編み技術に辿り着いた時は1年が経過していました。
開発した試作品の全てをモニターしていただきました。
そして最終の試作品で、
「私たち夫婦は糖尿病で足冷えで苦しんできましたがあぜ編み靴下のお陰で元気に働きにいけるようになりました」
「生涯パールスターさんには足を向けて寝られません」
後日
「足の荒れがなくなり時々ストッキングをはいてオシャレして出かけ、主人は水虫が直ったと喜んでいます」
の言葉をもらい圧し掛かっていた肩の重みをおろす事ができました。
第49回日本人工透析医学会で学会発表されました。